おねえちゃんと手をつなぎたい

 ちょうど一年前くらい、北海道出身のバンド、ZONEが解散すると
いう話が出た頃。(今、MAIKOは違うバンドを新結成してるけど)。
 洋ちゃんは、(解散して)よかった良かったと言っていた。


洋ちゃん「若くして芸能界なんて絶対賢い子のやるこっちゃないわ。
     若い頃からテレビなんかに出てだぞー」


藤尾「だって高校とかでめちゃめちゃモテますよ。クラブ活動で
   サッカーのエースみたいな感じでしょ、全国大会行きました、
   ”キャー”言われてた、ああいうことでしょ」


洋ちゃん「でもどこ行ったってバレるんだぞ。高校時代から。
     高校生がみんなやるようなことが全然出来ないわけだぞ。
     絶対賢くないわ。絶対途中までは普通に生活するべき。
     絶対大学行くべき。大学でしか出来ないこととかあるもん。
     それが若くして、マイケル・ジャクソンなんてかわいそうに
     子供の頃から大スター。どこ行ったって”ワーキャー”
     あんなもん(精神的に)おかしくもなるぞ。
     マイケルジャクソンが何をしたって怒るべきじゃないと
     思う。マイケルジャクソンが普通に育つ環境を作らなかった
     周りが謝るべき。マイケルジャクソンからどれだけの
     勇気をもらったか、どれだけの感動をもらったかってことな    
     わけでしょう?そのせいで彼が日常生活に支障をきたしたかと 
     思ったら僕はもうかわいそうで。普通の生活してないんだから。   
     ステージの上でしか落ち着かなかったっていう人が、
     どうなったっておかしくない。
     (ZONEは)若いときにそんな経験する必要があるのかと
     思いますよ。俺なんかだって、大学時代から(テレビに)
     出始めてですよ、今や30過ぎですけど。
     僕だってね、公園で女の子と手をつなぎたいですよ。
     おねえちゃんと手をつないで僕だって歩きたいですよ。
     ZONEはおにいちゃんと手つないで歩いたほうがいいって。
     (救命病棟で共演した)江口さんも、『別に気にしないよ、
     どこでも行くよ』って言うけど、『こういう所はどうですか?』
     って訊くと『まあそこは行かないね』って言うわけですよ。
     気にしないって言ったって行かない場所があるわけですよ。
     それってどうなの、この仕事。と思う。
     そんなふうになると思って就職してないからね。
     (洋ちゃんの普通感覚なところ。タレントも”就職”したと
      よく言う♪)
     

藤尾「やっぱ、でもその分、得をしていることもあると思うんですよ。」 
 

洋ちゃん「何、得してる?言ってみ?」


藤尾「例えば三越の地下で買い物をしていると・・・」


洋ちゃん「ちょっとお弁当のおかずが多くなるってこと?いらないね、
     俺、別に。それ嬉しいか?
     だったら俺はデパ地下をノーガードで歩けるほうがよっぽどいいね!
     どこ歩いてたって、デパ地下一番危険ですよ。売り場のおねえさん
     が見て『あー大泉洋だー』とかなって、ワサワサ動くわけですよ。
     お惣菜売り場とかおばちゃんたちが元気ですから、
     『あー大泉ちゃん、これ食べてって』とかなるわけですよ。
     周りの皆が気づくわけですよ。途端に”いやーちょっと恥ずかしい”
     ってなるわけですよ。そこで『あーどうもーおばちゃん!』って
     言うほど僕はさばけてないですよ。そこで『持っていきな』とかって
     オカラ一袋もらうぐらいだったら、普通におねえちゃんと手を
     つなぎたいですよ。好きな人と手をつなぎたい。」


 一年前、全国ドラマに出て、北海道外でも顔が知られ始めた頃の洋ちゃんの
お話。