シゲのびっくり箱

 ウーエンのときの琢ちゃんの話(昨日の日記参照)に比べると、『びっくり箱』
のシゲは幸せそうだ。
 『side7』で語った、びっくり箱の稽古の様子。

 
 稽古はすごく和やかなムードで進んだ。最初は、名だたる方々ばっかりなので
緊張したが、仲良くなるのがすごい早かった。
 諸先輩方からいろんなことを教えていただき、面白かった。
草村礼子さんにはすごく教えてもらった。
永島(敏行)さんと僕が二人でラーメンをすすっているシーンがある。
稽古の段階ではどんぶりと箸だけで芝居をやっていた。終わった後、
草村さんに「シゲちゃんね、このラーメンどんな味すると思う?」
と言われ、シゲ「全然考えてなかったっす」
草村「本当においしいと思ってやんなきゃダメよ。リアルで本当に
   おいしいと思えてないような気がしたから僭越ながら
   言わせてもらいました」
みたいに、すごい腰低くそんなこと言ってくれて、ありがたかった。
 家の中のシーンで、稽古場ではスニーカー履いたままやっていたら、
草村「靴は脱いだほうがいいわね。実際は靴下でやるんでしょ」
と、細かいことをいろいろ教えていただいた。
草村礼子さんは『シャルウイダンス?』の先生役をしていた方)
立ち方一つで年齢がプラスマイナス10歳違って見える、など、
見え方、演じ方について、すごくいろいろ教えてもらった。

 
 役者は引き出し(演じ方)をどれだけ持ってるか、だが、ものすごい数
持っていたのが余貴美子さん。
 稽古始まったばかりの段階では、演出家さんは「好きなようにやってみて」
と言う。それで、余さんは同じ台詞を10通りぐらいの演じ方をやって
それが全部面白い!出身は自由劇場っていうアングラな劇団なんだけど、
この人の中にはコメディアンの血が流れていると思った。
 余さんは連続ドラマを2本やりながらびっくり箱の稽古をしていたので、
ドラマロケ→稽古→ロケで、稽古に来れる回数が少なかった。
 余さんの台詞で「ジタバタするより仕方ないのよね」というのがあり、
演技してたらここで引っかかってすんなり台詞が出てこないと言って、
休憩時間や稽古前とかに、同じ台詞を10回ぐらい繰り返して馴染むまで
言っていた。これぐらいのレベルにいってもそういった努力を怠らないん
だなぁーと、そういった姿勢とかも勉強になった。本当に得るものの多い
舞台だ。この経験でもう一皮むけて、今後よくなっている佐藤重幸
見てもらいたい。


 琢ちゃんも次回の舞台『しあわせのつぼ』では、『びっくり箱』と同じ
福島三郎さんが演出してくれるし、宮本信子さん、木野花さんなどと
共演できるんだもの。今度は思いっきり演技修行ができるんじゃないだろうか。