母からのメール

 今から何ヶ月か前のことになるが、東京で仕事をしていた洋ちゃんが
お母さんからもらったというメールをご紹介。


「元気ね?東京は雪みたいね。こちらは今、町内の排雪車が入ってます。
 我が家は必要ないけどね。
 先日スープカレーダンボールで2箱届きました。お知らせまで。
 我が家では古いものから食べてるから。
 『東京タワー』読みました。久しぶりで、読み終わるのが惜しいと
 思う本に出会って本当に嬉しかった。こんなすごい小説の主人公を
 あんたがやれるとしたら本当にすごいことだよね。初めて大泉洋
 見直したよ。周りの人にしゃべりまくりたい心境。心配なく。
 チャックしてます。実現するといいねぇ。」


洋ちゃん「これは思わず、ボロッときましたねぇ。母は私がほんとに
     この役をやるかどうか、半信半疑だったんでしょうね。だから、
     ちゃんと実現するといいねぇみたいなことを書いてますね。」


 そして、以下は、お母さんが洋ちゃんに話した内容を、洋ちゃんが
お母さんの口真似で言ったもの。


「あんたね、突然ね、やれ東京に呼んだりね、この間もお寿司とか
 私とお父さん連れてったりするけどね、私たちはまだ死なないわけ
 だからね。『東京タワー』が決まった途端に親孝行するの、やめてくれる?」


「あんたがね、そんなに親孝行してくれるって言うんだったらね、
 母さんね、ちょっと旅行に行ってみようと思うんだわ。新聞見てたら
 いいの見つけたから頼んでもいいかい?まあ、パパのスケジュールも
 あるからね、行けたらでいいんだけどもね。アフリカ行きたいんだわ。
 これちょっと高いんだけどもね。あんたが親孝行したいって言うん
 ならだよ、アフリカ行きたいの。」


「あんた最近ね、いっぱいいろんな保険に入ってるでしょ。あんたね、
 そうやっていっぱいいっぱい保険に入っていいんだけどもね、
 あんたの保険って貯蓄型のが多いんでしょう。だからね、
 受取人は一応私たちになってんだけどもね、あんまり死んでも
 入んないんだわ。」


洋ちゃん「母は強しでございますね。あれだけ親孝行突然するな
     みたいなことを言ったかと思ったらですね、だったら
     アフリカ連れてけって。すごい値段するんですよ、
     二人で行くっていったら。
     保険は、こういう仕事だからおっかないじゃないですか。
     だから少しずつ保険がたまっていって、いくつになったら
     戻ってくるってタイプの保険に入るから。そんなに今、
     死ぬって考えられないから。」


 そうだよねー(笑)正子ママ、おかしいわ。「私たちはまだ
死なないわけだから」と言いながら、息子の洋ちゃんが死んでも
私たちにはあまり保険金が下りない、みたいなコト言って。でも、
“さもありなん”なお母さんなのよね。私がもし母になっても、
これくらい言いそうだわ。
 今年70歳のお母さんがメールをくれるなんていいなあ。
 そして、洋ちゃんプロデュースのスープカレー、定期的に(?)
お家に送られてくるんだねぇ。
 洋ちゃん、お母さんに「初めて”大泉洋”を見直したよ」って言われて
嬉しかったんだろうな。