ベトナム土産話 その4

 洋ちゃんのバースデーライブをベトナムの大きなホテルでやった。

洋「ホテルのオーナーみたいな白人のヒゲをたくわえたすごい人がな、
  なんなんだ、今日は、と。やけに若い子が集まってきてる。そして
  見たこともない男の話を聞いてる。なんだこれは、と、めったに
  見に来ないオーナーが俺のライブを見に来たらしいよ。YO大泉、
  彼は有名なのか、と。俺、ベトナムの営業ありうるよ。このままで
  いくと、俺ベトナムで売れちゃうかも。
  ベトナム歩いてたっけツアー客がわーって俺の周りに寄ってくるから
  わけのわからない道行くおっさんも写真撮らしてくれって。『あなたは
  誰なんだ』『アイアムア・ムービースター!アイム・アカデミーアクター!』
  『ドゥユーノウ・ユージ・オダ?』『オー!マイフレンド』
  『オーユアフレンド?』『オー!イエス!』写真撮られて人気でしたよ。
  河野も人気あったね。」

河野「僕はもう大人気ですよ。ベトナムの町歩けば歩けば横にいる人たちが
   『オースモウレスラー?』『イエーアイム・ヨコヅーナ』
   『オー!ヨコヅナ!』すごかったですよ。」


洋「ホーチミンの空港で帰る時に、他の客を見送りに来てる人全員が
  河野見てんのよ。ベトナム太ってる人なんていないの。河野は多分
  ベトナムいち太ってたのよ。河野がバーンバーン腹をたたくたびに
  ベトナム人爆笑して『スモウレスラー!』って寄ってくる。」


河野「ベトナムは簡単ですよ。ひとたたきひと笑いですからね。」

洋「あんなとこ、いくよくるよ師匠行ったらばかウケだよ。
  ベトナムのそんなに裕福じゃない人が住んでる地区、ニクっていう庶民の
  町があって、そこに河野行ったらしいんだよ。そしたらちびっ子
  ついてきたんだろ?」

河野「50人ぐらいの行列できました。大名行列ですよ。みんなついてきて
   すごいよ。みんな俺の体さわってきて、喜んでるの。」

洋「スモウレスラーの人気たるやすごかったよ」

藤尾「ベトナム行ったらバカ売れじゃないの。二人でベトナムの営業
   ありますね」

洋「あるあるある。洋ちゃんと河野くん行ったらすごいと思いますけどね」


藤尾「ベトナムの人間ってのはどんな性質なんでしょうか」

洋「性質?そうね、大半はだいたい酸性だね。・・・・そういうこっちゃなく。
  ベトナムで面白かったのはね、ベンタイン市場ってとこがあるわけですよ。
  観光客相手の有名な市場があってね。そこに行けばベトナムのもの
  ある程度全部そろう。そこはすごい広い市場なんですわ。もう築地とか
  あれぐらいあるわ。どでかい市場に、ベトナムってバッチャン焼きって
  いう焼き物とかが有名なんだけど、バッチャン焼きのお店がずらーっと
  いっぱいあったり、服屋さんがいっぱいあったり、その中でものも食べれるし、
  ひととおり何でもできる。野菜も売ってるし、お肉も売ってるし、何でも
  あるってとこなの。観光客相手だからベトナム人はとにかく日本人に
  売りつけるわけよ。ベトナムの通貨はドン。ドンの100分の1が日本円、
  日本円の100倍て感じ。日本円の1円は向こうの100ドン。日本人と
  ベトナム人で売る値段が違うわけよ彼らは。」

藤尾「きたないっすねー。それ人間見てるわけですね」

洋「ベトナム人にはわかるから普通の値段で売るけど、日本人はわからんと
  思って高い値段を言ってくるわけ。それはみんながもう知ってるから
  日本人も知ってるから、ベトナム人との価格競争しなきゃいけない。
  俺らが行くとオニーサンオニーサンって言うわけ。オニーサンコレ買って
  オニーサンTシャツ〜ばっかり言ってるわけよ。
  河野とアロハシャツの店に行ったわけよ。アロハ買ったときにも
  ずいぶんと価格でけんかしてきたわけよ。
  俺は向こうで着るパジャマがなかったからパジャマ用に着るTシャツが
  欲しかったわけ。なるべく安く買いたかったわけだ」

(明日に続く〜)