あっという間に撮影終了〜
洋「先生、大河おめでとうございます」
顕「ありがとうございます」
洋「ついにきましたね。ナックスから大河出演者が出る日が!」
顕「もうほとんど撮りました」
洋「えっほとんど?」
顕「あのね、すごい出るわけじゃないですから、僕」
洋「つまりその吉良の仁吉ほどではないってことですか」
顕「次郎長背負い富士ほどは出ません。次郎長はすごい出ますから。
そういうわけではないんですが、非常に重要な役です。
役者というのは何が楽しいかと言いましたらですね、
どれだけの出番であろうとですね、その人にどんな人生があるのか、
そういうことを想像しながらその場の空気にいるってのが
楽しいわけですよ。その点、歴史上の人物ってのはバックボーンが
はっきりわかってますからね。宇喜多秀家なんてのはたいした武将で
ございますよ。みなさん調べてください。」
洋「今、語るつもりはない、そういうことですね?」
顕「中村橋之助さんとですね、びしっとやりましたよ私。」
洋「えっやりとりがある?うわ、すごい☆」
顕「毛利元就さんやってらっしゃるんですよ、橋之助さんが。」
洋「毛利元就ってあの三本の矢の。」
顕「あっ間違いました。」
洋「えっ」
顕「毛利さんじゃないです」
洋「出たんですか?ほんとに。まちがえてますけど。大河出たんですか?
嘘ついてるんじゃないんですか」
顕「橋之助さんに『お前の考えは正しすぎる』なんて話をしてですね。」
洋「橋之助先生に『お前』呼ばわりしたんですか。
(洋ちゃんがいつもやる、情けない顕ちゃんの声の真似で)
『お前の考えは正しすぎる』って言ったんですね」
顕「(少し怒った声で)ずいぶんと余裕ですけどもね!
私は瞬間瞬間、一生懸命やりますよ。ほっといたって抜かれるあなたの
立場とは違うんですから。」
洋「冗談を言ったんじゃないですか」
顕「いつもだったら流すよ、いつもだったら俺だって流すけどさぁ、こないだ
やったばっかりでいろいろハートブレイクな部分があるわけですよ。」
洋「やっぱり緊張しました?」
顕「次郎長やっといてよかったね。大河ってのはまた雰囲気がすばらしいね、
やわらかい!」
洋「やわらかいの?」
顕「どんなに押したってケンケンしてないね。顕ちゃんケンケンしなくて
済んだ!」
洋「へぇそうなんだ」
顕「雰囲気すごくいいですよ。一年間ずっと通してやってるから、チームとして
チームワークがすごいびしっとできてるんですね。」
洋「じゃーなんか怒号鳴り響く現場じゃないんだ。『急げオラー!』とかじゃ
ないんだ。」
顕「全然なし。和気あいあいとやってらっしゃいますから。チームワークが
いいですね。」
洋「共演なされた方はちなみにどちらですか?中村橋之助さんと。」
顕「中村橋之助さんですよ。」
洋「・・・はい。それぐらいなんですね?なんかもっとすごいたくさんいる
シーンかと思ったら。」
顕「僕は宇喜多秀家ですよ!」
洋「わかります、わかります。聞いてますよ。橋之助さんとのシーンだった
わけですね。」
顕「出りゃいいってもんじゃないんだよ!
俺、全部言ってくよ。これからずっとスーパー、テロップ
“大河俳優、安田顕”って出してもらうからね。
『どーも、大河に出ました安田です』って言いますからね。」
洋「いやーちょっと楽しみでございますなぁ。」