映画『好きだ、』

 私の大好きな宮粼あおいちゃんと、西島秀俊くんが出てる『好きだ、』
どこでも上映されるような大きな作品ではないので、うちの田舎で観るのは
無理だべ、って半分あきらめてたら、ちょうど今日の水曜日、一日空いたので、
わざわざ高速バスに乗って二時間もかけて、『好きだ、』を上映している
天神(福岡)の小さな映画館まで出かけた。
 シネコンにすっかり慣らされてた昨今だけど、久しぶりにこんなちいさな
劇場、新鮮だった。観客席の椅子は6列ぐらいしかなくて、全部で50人位
しか入らない。スクリーンがあるのはひと部屋だけで、前の映画が終わるまで
みんな部屋の外で待っている。こんなの昔は当たり前だったんだけどね。
 私が早めに着いて、ベンチに座って待っていると、次々とお客さんが
やってきて、切符を買うとき「好きだ、」「好きだ、」って言うのが面白かった。
私も言ったんだけど。

 あのねぇ、ここに書いてなかったけど、こないだ宮粼あおいちゃんの出てる別の
映画も観てきたのよ。『初恋〜三億円事件の犯人は女子高生だった』これも、
近くの劇場でやってなくて、車で高速飛ばして一時間かかる所にある、郊外の
映画館まで行ったのさ。


 今、NHK朝の連ドラにも出てるしさ、今年は宮粼あおいちゃん年だね。
二つの映画とも、今は20歳になったあおいちゃんが10代のうちに撮った
作品。私が思うのは、単純に、高校生っていいなぁ〜ってコト(そこかよ!)。
“演技してる”って感じさせないあおいちゃんはすごい女優さんだと思うよ。
ナックスがいくらドラマや映画に出ても、私には(洋ちゃんが)“演技してるなー”
ていう風にしか見えないんだよな。
 西島秀俊くんも大ファンなんだけど(こちらもNHK朝ドラに出てますね)、
『好きだ、』を観ていると、なんだかいろんな人とダブって見えて、ドキドキ。
どんな人とダブったかと言うと、単に私の好みで、普段からよく思いを馳せてる
人たちなんだけど、スピッツ草野マサムネくんとか、俳優の堺雅人さんとか。


 この映画は、長いこと監督がカメラを回しっぱなしにして撮った、まさしく
半ドキュメンタリー。何回もカットを変えて撮ってないから、しゃべってない
人の顔が全然映ってなかったりする。“あー、この時の顔を見せてくれよ”って
思っちゃったりするのは、普段いかにカット割の多い親切な画面に見慣れてるか
ってことだよね。
 そうそう、加瀬亮くんも出てた。『花よりもなほ』で私が一番注目した
役者さん。近々公開の『ハチミツとクローバー』にも出てます。


 17歳のユウをあおいちゃん、ヨースケを瑛太が演じ、その17年後に再会した
34歳のユウを永作博美、ヨースケを西島秀俊が演じた。ユウは、あおいちゃんが
いかにも永作博美みたいな子になってそうだった。ヨースケの方は、高校生の時は
あまりしゃべらなかったから大人になって、ちょっと変わったなって感じ。
映画の最後、ユウもヨースケも「好きだ、」が言えて良かった。「好きだ。」でも
「好きだ!」でもなく「好きだ、」


 『初恋』についても、またいつかここに書きたいと思う。